最終更新日:2011年4月24日

日微前進トップ

アオリイカの生態

道具をそろえよう

海に行こう

釣ってみよう

こんな時は

書籍・DVD

リンク

ステップアップ

硬いロッドと柔らかいロッド

ロッドの握り方あれこれ

リールのハンドルは右?左?

同じ道具を使い続けること

様々なエギ

エギのチューン

釣り場へのエギの持ち込み

安エギ 徹底解剖

エギの修理

単位について

PEラインのマーカーの活用

響け!ドラグ音

ドラグ音の快感

「ツッ・・・」
沈み行くラインがわずかに止まるのを私は見逃さなかった。

底?いいえ、まだだわ。
大型?一気に抱きに来た?
赤イカなら記録更新も狙えるわ。
ラインは…新品よ。リーダーは…少し傷があったかもしれない。
数多くの逡巡がごくわずかな時間で私の脳裏を駆け巡る。

ガッ。

ふけ当たりから数マイクロセカンドの後、私の上腕二頭筋にシグナルが送られた。

ドンッ!

根掛りを思わせる衝撃から寸時遅れて、ジェット噴射が私の腕と愛用のロッドを絞り込む。
悲鳴を上げたドラグが泣き止まない。シャクった程度では鳴らないドラグが、だ。

気付くと私の口は三日月を描いていた。
「きみの笑いはシニカルなんだよ」そう言い残して去った人の名前は覚えていないが、彼が今の私の笑いを目にすると、過去の暴言を悔い、出家して僧侶になると言い出すだろう。

冷静に、少しドラグを緩める。
心臓の鼓動がスローモーションで感じられる。
研ぎ澄まされた集中力と興奮が凝縮された時間を生み出す。
私を俯瞰して見ている、もう一人の私がいる。

ふと…


ふと、今年の春を期待する妄想から現実に引き戻される管理人。
こんなドラグの響き方は経験したことはありません。
管理人の初春イカは胴長推定38pですが、ドラグはガチガチ。ついでに管理人も初春イカでガチガチ。グイグイ引かれましたが、ドラグは鳴りませんでした。その後、このサイズを超える春イカを釣ったことはありません。

◆ドラグ音の魅力と魔力
数あるエギングの魅力のひとつは、ジェット噴射で引き出されるライン、響くドラグ音でしょう。しかし、ここでのテーマは、イカのジェット噴射による格好良いドラグ音ではありません。シャクった時のドラグ音が本題です。
ドラグ音の魅力に憑かれたのか、ドラグをゆるゆるにしてシャクる方を見ることがあります。シャクルとドラグがジャージャーと鳴る。
このドラグ音について考えてみました。

ドラグ調整の影響

そもそも、何のためにドラグを調整するのか。ドラグを緩めたりきつくすると、どのような影響があるのか。これを考えると、ドラグ調整がどうあるべきか理解できるはずです。

◆アクション時のエギの動きに及ぼす影響
ドラグの緩め具合にもよりますが、緩めていると激しいアクションをしても力がドラグに吸収されて、エギの動きは遅くなります。ほとんど伸びないPEラインの特性を無駄にしています。極端な話、ナイロンラインでエギングをしているのと同じです。

瞬間的にエギを動かして、イカの視界からエギを消すようなアクションは不可能でしょう。ロッドを大きくゆっくりと動かすアクションでも、エギが動く幅が小さくなるのは間違いありません。スラックジャークでは、エギがほとんど動かないこともあり得ます。
最初から小さかったり、弱い動きを意図するなら、アクションを小さく、弱く調整することで対応できます。

一方、PEラインによる鋭く切れのある動きではなく、ナイロンラインによる伸びのある動きの方が良いという意見もあります。これはイケるか?と思ったのですが、この釣り方では、ラインの伸びはロッドの長さでカバーしてエギを動かしますので、通常のエギングロッドでは無理です。

以上のとおり、アクションに関してはドラグを緩めるメリットはありません。

ただし、デュエルプロスタッフの笛木展雄さんは、緩めの微妙なドラグ設定をしています。エギの初速は速いものの、その後の力は吸収されてエギが手前に寄らないようにするためです。もちろん、これはアクションの力加減とセットとなっており、同じ力加減、同じ振り幅のアクションしか行わない、同氏の極めてシンプルなエギングスタイルがあって可能なセッティングだと思います。

◆アワセで身切れが生じないように
新子の季節では、アタリがあって、大きくアワセると一瞬の抵抗感を感じたもののスカッ。何かがカンナにある感触があるのでリールを巻くと触腕だけがカンナについてきたという経験があるかもしれません。このような経験をするとドラグを緩めに設定しようと考えるきっかけになります。
確かにドラグを緩めに設定すると、アワセによる身切れを防ぐことはできます。しかし、アワセの動作を小さくすることで対応は可能です。また、ロッドの硬さによってアワセ方を調整する必要があります。管理人は硬めのロッドでは小さくアワセています。柔らかめのロッドでは、大きくアワセても身切れしていません。

なお、春の大型の場合はイカがエギを抱く力が強いため、小さなアワセではエギが動かずカンナがイカに刺さらないことがあります。このままイカを寄せるとイカがエギを離してバラします。このように、身切れの心配よりもバラす心配があるので、鬼アワセをして、かつ追いアワセを入れるほどです。

以上のとおり、アワセに関して、春はドラグを緩めるのはデメリットしかなく、秋は多少のメリットがあるものの、代替手段で対応可能です。

◆大物の場合、ラインブレイクしないように
魚釣りの場合のドラグ調整の目的ですね。大物が引いた場合、ラインが切れる前にドラグでラインを送り出す。

イカがかかってからドラグを緩めることで対応可能ですが、バラす心配があるのでやらないという方もいます。
管理人は、これは!という重さを感じたりジェット噴射があると、少しだけドラグを緩めています。
なお、ラインの太さや傷の程度にもよりますが、ドラグがちがちでも、よほどの大物でなければラインブレイクはしないようです。

◆ロッドやライン等への負担を軽減する
ドラグをガチガチにして思い切りシャクると、強度の弱いロッドでは折れる恐れがありますし、ラインに傷があると瞬間的な負荷のためブレイクする恐れがあります。
このため、タックル破損に対する保険としてドラグを緩めることは考えられます。
が、普通にシャクった程度でドラグが鳴るのは緩め過ぎです。そんなに弱いロッドやラインはありません。

ちなみに管理人は、軽量ロッドなので強度が不足していると思われるため、ロッド破損を防止するために、思い切りシャクった時に少しドラグが鳴る程度に調整しています。

このページのトップへ戻る


『エギング日々前進』について写真素材・挿絵について|サイトの内容について
inserted by FC2 system