根掛対策
エギングと根掛は切っても切れない関係にあります。秋のアオリイカは根が好ポイントで、春のアオリイカは藻が好ポイント。また、どちらのシーズンも良型はボトム付近にいるのが一般的です。春はボトムでのエギのステイが有効です。
とはいえ、エギを何本もなくしていたら気持ちが萎えますし、環境にも財布にも優しくありません。
ここでは、根掛の予防と対処について説明します。
エギングを始める前の根掛予防・対処
◆海中の把握
海中の地形や様子が分からないままでは攻めるべきポイントが分からないだけでなく根掛の原因になります。攻めと守り、両方の観点から、まずは海の中を把握します。
ヤフーやグーグルまたは都道府県や市町村のホームページでWeb−GIS(
例:島根県のGIS)を提供しており、航空写真を見ることが出来る場合があります。解像度が良ければ海底の地形やシモリ、スリット等の位置が分かります。
航空写真ではだいたいの様子しか分からないので、実際に現地で確認します。海中の様子が分かりやすい条件は、高い場所から太陽を背中にして見ることです。偏光サングラスがあれば、より見えます。
このように情報を集め、スリットやシモリ、海藻等の位置を把握します。
また、周囲の地形からも海中の様子を推測します。切り立った崖からつながる斜面なら、その斜面が海中にもつながっていると推測したり、山からの峰は海中にもつながっているなどと推測します。
陸地にある岩の角が鋭ければ海中にも同様の岩があると考えボトムでのズル引きは危険を伴うと推測したり、岩が階段状になっていれば海中でも階段状になっているなどの推測をします。
◆道具
根掛して引っ張って回収しようとしたとき、太いPEとリーダーだとカンナが曲がって根掛が外れ、回収できる場合があります。また、海藻をちぎって回収できる場合があります。感度や飛距離は犠牲になりますが、このように太いラインでエギングに臨む方法があります。
また、海藻帯では、あらかじめエギのカンナの下側を内側に折り曲げたり、シンカーをカットする等の
チューンをする方法もあります。もちろん、シャロータイプのエギでも構いません。
エギング中の根掛予防
事前に対策を講じても、実際のエギング中に根掛を予防するようにしないと意味がありません。
大前提は、着底が把握できることです。底に着いたことに気付かないとエギが海底で潮に流されて、いずれ根掛します。また、ラインが潮で流されて海藻にからまったり、アクションをしたときにPEが障害物に擦れて切れる可能性も高くなります。着底が分からないとこのようなリスクがありますし、着底が分かっても根掛のリスクがありますので、根掛が頻発する場所は着底させず、底付近または中層を攻める選択肢もあると思います。
◆障害物の攻め方
シモリは潮の流れを考えて攻めてください。シモリの潮上にエギを通す場合、タイトに攻めると根掛するかもしれません。上面、横、手前を攻めるのは比較的容易ですが裏側をタイトに攻めるのはシモリの大きさにもよりますが、根掛の危険が高いです。
海藻は、アマモなら引っかかっても柔らかいので回収しやすいですが、カジメは茎が硬く根もしっかりしているので引っかかると回収困難な場合があります。海藻の切れ目が分かっていれば、そこにフリーフォールで落とす攻め方がありますが、分からなければ沈下速度が遅いカーブフォールで攻めます。
また、藻面の位置を把握(または想定)して、そこまでエギを落とさないようなアクションとフォールで攻める方法もあります。自分のアクションでどの程度エギが上昇するかをあらかじめ把握し、エギの沈下速度を覚えておき、フォール時間のカウントダウンが命綱となります。
◆根掛しにくい操作
底でエギを引くと根掛かりしやすくなりますので、できるだけ上方向に跳ね上げるアクションを心がけたいのですが、少し根掛した状態で思い切りシャクルと強く引っかかります。そこで、軽めのスラックジャークで少しエギを浮かしてから、すかさず次のアクションを加えるべきと思っています。
なお、先ほど、海藻帯ではカーブフォール等沈下速度が遅いフォールで海藻帯に軟着陸させる方法を説明しましたが、シモリを裏側から攻めた場合と同様、海藻の裏側にエギを突っ込ませると高い確率で引っかかるので一概にカーブフォールが良いとは言えません。
根掛したら
根掛した場合、無理に引っ張るのは基本的には最終手段です。
少し引っかかっているだけかもしれないので、ロッドを様々な角度で、立ち位置を変えながら軽く振ってみてください。このとき、ロッドに強い負荷がかかるまで振るとロッドが折れるおそれがあるので、無理なことはしないでください。
外れなければ、同様に様々な角度で引っ張ると外れる場合もあります。引っ張るときはロッドを立てるのではなく根掛した方向に向けて、リールとエギが一直線になるようにしてください。
小型のオモリをスナップでPEにセットして送り込み、ぶつかった衝撃や、その後でロッドを振ってエギに加えるテンションの向きを変えることで根掛が外れる場合もありますが、成功率は高くありません。
どうしても駄目なら、ラインが切れても良いくらいの気持ちで強く引っ張ります。カンナが曲がって回収できる場合があります。
カンナが引っかかったのではなく、岩の間に挟まった状態ならこれらの動作をしても回収できる見込みは低くなります。
ラインが切れた場合、場所を確認してください。PEとリーダーの結束部またはスナップの結び目で切れていれば、PEとリーダーの強度バランスは適切ですが、PEで切れていたらリーダーが太すぎるということです。高価がPEが切れるのはショックです。
またはPEに傷があり、そこで切れた可能性もあります。
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