見せて、寄せて、乗せる
イカを乗せるまでの過程
イカを釣るまでの過程は、まず「イカにエギを見つけてもらい」、「関心を持たせてイカを寄せて」、「エギを抱かせる」という段階に分けることができます。
イカを「寄せ」て「乗せ」ると表現したり、エギを「見せ」て「魅せ」ると表現することもできます。
当然のことですが、イカが気付いていなければ、どんなスーパーアクションや安定したフォールをしていても釣れるはずがありません。
また、イカがエギを見つけても、イカに関心を持たせ、捕食スイッチを入れることができなければ釣ることはできません。
そして、イカがエギに関心を持っても、エギを抱かせることができなければ釣れません。
エギングには多くの超絶テクニック、シャクリ技、コンビネーションがあるようですが、これら応用技の意図は、「いかに見せて、寄せて、乗せるか」に集約されると管理人は考えています。この3段階を1投の中で組み込む釣り方もありますし、数投かけて乗せることを狙う場合もあります。また、1つのアクションやフォールが複数の段階を兼ねる場合もあります。
エギングを覚えたての頃は、様々なアクションとフォールをするだけでもイカが釣れて、それはそれで楽しいのですが、アクションやフォールに意図を持ってエギングをし、その意図どおりに釣れると「釣れた」から「釣った」となり、さらに楽しくなります。
イカにエギを見つけてもらう
◆アクションで見つけてもらう
管理人は最初にシャクリを入れることが多いです。通常のシャクリでも2段シャクリでも構いませんが、大きな動作で周囲にアピールするよう心がけています。小さな動作だと藻や根の裏側にいるイカにアピールできない場合もあると思います。
また、水深のあるボトムではエギに水圧がかかっているため、小さなアクションやスラックを活用したアクションではエギがほとんど動かないと思っており、最初のアクションはシャクリ=引っ張った分だけエギが動く、を選択しています。
◆エギで見つけてもらう
イカに見つけてもらうためにアクションを選択するのではなく、エギを選択することもあります。ラトルで音が鳴るエギもありますが、このエギもイカに見つけてもらいやすいエギと言えます。
「夜にシルエットがはっきりする赤テープを選ぶ」という考え方も、イカがエギを見つけやすくするためと言えます。
この、見つけてもらうつもりの動作で、最初から活性の高いイカが釣れることがありますし、イカの捕食スイッチが入って釣れることもあります。
イカをエギに寄せる
◆関心をもってもらう
最初から活性が高くて釣れるときは問題ありませんが、釣れないときにどうするか。
そこにイカがいるのにエサとして認識してもらえない。捕食スイッチが入らない。関心を持たせてエギを追尾させることができても、乗せるほど興奮させられない…。
一方、過度のアピールでイカを警戒させたり、スレさせることもある…。
また、関心を持たせてイカを寄せたら無条件にエギを抱いてくれるわけではなく、近づくだけでエギに手を出さなかったり、一定距離を保ったままで追尾するだけだったり、後退していくイカもいます。
イカがエギを抱く気になるまで活性を上げる−イカにスイッチを入れる−方法に鉄則はないと思いますが、様々な引き出しを持ち、いち早くその日のイカに合った方法を探り当てることができるのが上手な人だと思います。
◆アクションの引き出しを増やすエギングの基本で基本的なアクションを説明しましたが、アクションには様々なバリエーションがあります。小刻みで速い動きで反応がなければ、大きくゆったりとした動きを試したり、ジャークではなくシャクリを中心にするなど、アクションを変えると釣れることがあります。
◆エギの種類を変える
エギを変えると釣れることがあります。エギを変えることで上布の色、下地の色、エギのサイズ、沈下速度、沈下姿勢、アクションのキレが変わります。
同じエギのカラーやサイズを変えるのが簡単なエギの交換ですが、各種のエギの特徴を把握し、それを活かした使い分けをする場合もあります。
イカをエギを抱かせる
せっかく、イカがエギに関心を持っても詰めが大切です。イカがエギを抱くのは、”安定した”フォール、”安定した”水平移動またはボトムステイ中です。エギの姿勢がぶれたり、頭を振るなど不安定な状況ではエギを抱きません。
”寄せ”が得意でイカにエギを追尾させても、”乗せ”が苦手なためエギを見切られてサヨナラされたら、それまでの苦労が水の泡です。
◆
乗せの間を作る
イカがエギを抱かない原因のひとつに、エギの沈下が速すぎてエギを追い切れない場合があります。このため、遅い沈下速度のフォールにより乗せの間を作る方法があります。
ただし、イカの捕食スイッチが入っていないのに遅いフォールでイカにエギを見せすぎると、見切られることもあるようです。
◆イカを焦らす
人間には、いつでも手に入るものより、欲しいけど手に入らないものほど欲しくなることがあります。イカも同様かは分かりませんが敢えて、エギを抱きたくても抱けない状況を作ってイカを焦らした後に、上記の乗せの間を作る方法があります。
例えば、沈下速度が速いフリーフォールでイカがエギを抱けない状況にしてイカを焦らしたり、アクションの後にイカがエギを抱こうとしてダッシュした瞬間に次のアクションを入れたり、イカがエギを追ってきても粘らずにエギを回収する等の方法があります。
なお、焦らすつもりでも、イカがエギを諦める場合もあるようなので、いつも有効とは限りません。
この項目で述べたことは原則的なことです。
次からの項目では、具体的なアクションやフォールの引き出し、コンビネーション、ストーリーについて述べます。
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