最終更新日:2011年5月21日

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技の名のついたシャクリ、釣り方

シャクリ、ジャークという基本アクションがあります。
2段シャクリ、スラックジャークという、名称が全国区のアクションがあります。
その他、様々な呼び方のシャクリやジャークがあるようです。全国区となり、標準用語の名称もあれば、その人しか呼ばない名のワザもあります。
ワザ特有のアクションがあり、名前をつけるだけの意義があるものもあれば、「ワザに名前を付けるのが好きなんだな」と微笑ましく思える思えるようなワザもあります。
ここでは、そんな数々のワザを集めてみました。なお、ほとんどは聞いた話ばかりで管理人は試していないワザです。

バイオレンスジャーク

Gan craft(ガンクラフト)の平岩考典さんが考案したシャクリ方です。その名前のとおり暴力的にロッドを振りますが、ラインスラックを回収してロッドを振るバイオレンスジャークと、ラインスラックを出したままロッドを振るバイオレンス(スラック)ジャークがあり、エギが動いて生じる強い水流がイカにアピールするそうです。
特に、前者のバイオレンスジャークはロッドによっては破損の恐れがあります。もちろん後者もロッドに負担がかかると思われます。
パターンとしては、思いっきり2回シャクって、3回目は軽いシャクリ。この、3回目の軽いシャクリの目的は、エギの頭をエギンガーの方に向けてフォールを安定させることです。アクションだけ注目しそうですが、このようにフォールも大切にしています。

ところで、バイオレンスシャクリとバイオレンススラックジャークが正式名称と考えるのは管理人だけでしょうか。

ウィップジャーク

吉ア俊さんが得意とするアクションです。吉アさんは「ロッドでガチあげる」と話されており、やや引っ張り気味の連続ジャークで、エギは綺麗な規則的なダートではなく、手前に寄りながら高速で不規則なダートをします。

通常、ジャークでは腕と手首でロッドを振りますが、ウィップジャークは竿尻を肘にぶつける反動でロッドを振ります。上手に出来れば「振る」動作よりも「ぶつける」動作の方が速くロッドを振れます。吉アさんはだいたい、2〜3回を1セットでアクションしています。
ポイントは、曲がったロッドが復元するタイミングと竿尻をぶつけるタイミングが一致することです。これがずれるとロッドの反発力を殺す力を加えてしまい、滅茶苦茶なジャークになります。
また、ロッドが振れているのでダートさせているつもりが、ラインテンションが抜けているためラインが振られているだけで、海中ではエギがほとんど動いていないということもあります。ラインにテンションがかかるミートポイントを意識しながら、ロッド復元のタイミングも意識しなくてはいけない、ちょっと難しい技です。

無料動画があります。吉アさんがウィップジャークをしています。
アピスTVHOME > EG going! > EG going! Vol.12 和歌山県・ボートエギング (SALT WATER)の15:33からのジャークです。
なお、管理人の知る限り、吉アさん自身は「僕のウィップジャーク」のような言い方はしていません。「パシパシとジャークさせて」のような言い方をされていたので、ワザの名前へのこだわりはないようです。

ハイピッチ2段ジャーク

レイさんの基本ジャークです。
ロッドを 「@上 A下 B上」の3回の動作。これを素早く振るそうです。

◆素早く振れない場合
最初から、両手をガチガチに握っていると素早く振れないそうです。両手をグッっと握るのはBの動作の時のみ。どうやら、腕をムチのように振るうようです。
非力な方でも、テコの原理で楽にできます。右手が前、左手がグリップエンドの持ち方の場合、
右手と左手の “中間を”支点にして動かす。
@最初は、軽く上に上げ、
A軽く上げた瞬間に右手の親指の付け根(手のひら)と人差し指を握る。
そうすると、自然と手首が下に下がる。
B最後は両手をグッと握って グリップエンドを押し出すように上へ上げる。

ダブルレイヤー釣法

同じくレイさんの釣法。釣法であってワザの名前ではありませんが、特徴的なアクションをベースとしていますので紹介します
◆ダブルレイヤー釣法の意図
ダブルレイヤー釣法は、イカのいるタナを素早く見つけて、水平移動で乗せます。
タナを見つけるためのアクションは、強弱を変えた“5回ジャーク/3秒”です。
その時の活性によってリールの巻き取り回数やシャクリ回数を増やします。また、各シャクリは同じ強さではなく強弱をつけます。これによりイカに興味を持たせます。他のワザにも共通する考え方です。
なお、これまでのワザと決定的に異なるのは、ダートではなく、小刻みな跳ね上げこそイカの活性を高くするという考え方に立っています。そのため、エギをダートさせないジャークだそうです。
主に近距離(手前3〜7M)で行うようです。着底からエギを水面近くまで跳ね上げ、ほぼラインが張った状態でエギをフォール。秋にはロッドを横にスライドさせるか、リールを3〜4秒に1回転させて水平移動気味にします。

◆アクションの方法

上記のとおり5回ジャークに強弱をつけます。
最初にスラックを取る。
4回目までのジャークは、主に「肘から手」で最後の5回目のみ腕全体での動作となります。
スラックを取った時の腕の位置が「4時」として、
1回目:2時半→4時に戻す→リールを1回転。ロッドは軽く握る。
2回目:1時半→4時に戻す。握力を入れて手が「クッ」と上を向くように。
3回目:2時半→4時に戻す→リールを1回転。ロッドは軽く握る。
4回目:1時半。握力を入れて手が「クッ」と上を向くように。
5回目:エギの頭を自分方向に向かせるために、腕全体を使うようにフワっとエギを引っ張り上げるように軽くシャクる。親指のラインと腕のラインが一直線になるように。
エギの引き上げ方が足りない場合は6〜7回シャクります。

◆フォール
テンションフォールを多用するそうですが、フォールスピードが遅すぎるとイカの警戒心を増すので、角度の深いディープタイプで、テンションをキンキンに張りながらのフォールでもOKだそうです。イカがいたら大体、フォールさせて10秒以内に捕まえに来るそうです。
この時、沈下スピードが遅く、エギの移動スピードが遅いとエギを触腕で捕まえる為、バラシ率が大幅に増加するそうです。釣れても、片手掴みとかが多い場合には警戒されている釣り方と判断します。対処法は、もっと早く沈むエギを使うか、もっと手前に引っ張って、アオリを体ごと追いかけさせるようにすることが重要となるそうです。

◆ポイント
最初は素早く小さく動かし、徐々にダート幅を大きくしていき、アオリを浮かび上がらせていきます。その時に、ロッドの動きも徐々にゆっくりにし、ラインスラックも多めに出して、ダート幅を大きくします。ただし、強弱を付けない場合も多々ありますし「強⇔弱」の入れ替えもありますが、一番大切なことはアオリにエギを発見してもらう事だそうです。
イカが水面まで浮かび上がってきたらステイは厳禁で、即、フォールさせないと逃げられるそうです。イカも人を見つけて、我に帰るのかもしれません。

ハイパースラジャー(ハイパースラックジャーク)

愛媛の豪腕エギンガー「くぼっち」さんこと久保田正輝さんが得意とするワザ。ご本人が「僕が勝手に言っているだけのネーミング(笑)」とブログで述べられています。

スラックジャークはスラックの量やエギの方向によって、どんな方向にエギが動くか予測つかないものですが、高速で連続してスラックジャークを繰り出し、エギを高速かつトリッキーに動かし、かつフラッシングでイカの活性を上げることを目的としたジャークのようです。

まず、相当量のラインスラックを出します。
シャクリは初速がキモで、手首の動きをフルに活用してロッドバットを高速で動かし、ロッドティップに速度が伝わるイメージでシャクリます。
ロッドティップが弾かれるときには、グリップやバットを元の位置に戻して次のアクションを加え、とにかくパンパンと素早くアクションを2〜5回繰り返します。
シャクル回数を増やす度にジャークの幅を微妙に広くします。もっとも、次第にジャークの幅を広くしなければラインにテンションがかからず、ラインを振っているだけになります。
最後のシャクリでは高速でロッドティップを跳ね上げて、エギをテーブルターンさせます。この、最後のテーブルターンでエギが反転し、大きな弧を描く動作をしたりヒラを打つことでフラッシング効果が得られます。
ロッド捌きとロッドの速さがキモだそうです。
ハイピッチスラックジャークなら、動作とネーミングが一致しているように管理人には思えます。

トリプルアクセル

ダイワの辻原伸也さんが使っているワザ
高速3回スラックジャークで、回数を増やす度にジャーク幅を大きくし、最後のシャクリでは大きくなダートでテーブルターンさせて、イカのスイッチを入れます。3回のシャクリを一瞬で行いますが、それぞれのシャクリの間できちんとラインスラックを取るために、3回シャクルというより、6回上下にビシッとロッドを動かすようです。
動作も意図も久保田さんのハイパースラジャーとよく似ていますが、ネーミングは全く異なります。

フライングジャーク

ダイワの辻原伸也さんが使っているワザ。
上記のリンク先では
『ロッドを3時の位置(水平)から12時(垂直)まで一気に大きくしゃくり上げる。非常にベーシックな一段シャクリではあるが、イカの泳層をいち早く探りたいときに有効なアクションで、跳ね上げるようにゆっくり数回繰 り返すのも効果的。小さなアクションと組み合わせることで、イカにスイッチを入れることができる。』
とあります。シャクリの言い換えでしょうか?

グライディングジャーク

ダイワの辻原伸也さんが使っているワザ。
グライディング【gliding】とは滑空という意味です。
上記のリンク先では
『3時から1時の間を連続してシャクる。このとき、穂先部分でシャクるようにするのがコツで、1回跳ね上げる毎にリールをクォーターピッチ(1/4回転)で巻く。すると、エギは短い移動距離で左右に大きくダートし、活性の低いイカには特に有効。』
とあります。シャクリ幅に対して1/4回転しか巻かないので、徐々にラインスラックが多くなるように思います。ロッドの振り幅でスラックの量を変えるのと、リールの巻き取り量でスラックの量を変える違いがもたらす意味が、管理人には分からないのです。

フェミニンジャーク

ヒロセマンこと広瀬達樹さんが名づけたワザ。
女性でも簡単にできる、力のあまり要らないスラックジャークをリールを巻きながら3〜4回繰り返すものです。コツはラインスラックを十分に出すことです。
4時から1時くらいまで、ひしゃくで水をまくような感じでシャクリます。思い切りシャクる必要はありません。ラインスラックが出すぎていると、ラインは動いてもエギは動かないので、シャクリ上げたときにラインが張る程度のスラックにします。
1時くらいまでロッドを下ろし、ラインスラックを十分に残す程度にラインを巻き、再度シャクリます。
シャクる速さは1秒に1回が目安です。
エギが見える場所で確認してみてください。エギの性能にもよりますが、ラインスラックが十分にあれば相当エギが動いているはずです。(深いところでは水圧もあって、あまり動かないと思われます)

デュエルの笛木展夫さんのDVD「最強!シンプルエギング−もう2段シャクリはいらない」は、このジャークのみです。最強とも、2段シャクリがいらないとも思いませんが、このジャークのみでDVDを1本撮り、釣ることができるジャークです。

ミラージュダート


LureNews.tv
ハリミツの増田将輝さんが名付けたワザ。
スラックを十分に出した高速ロングジャークを3〜4回繰り返し、最後に、それまでのジャークとはレベルが異なる大きく強く、スラックを思い切り弾くジャークをします。
意図は、大きなダートを繰り返し、イカの視界からエギを瞬間的に消し、ダートとダートの間で見つけ、また消える状態を繰り返し、イカの活性を上げるものです。

シンプルエギング

デュエルの笛木展雄さんの釣り方。
『底を取らずに中層で「大きなジャークをしてラインスラックを残す程度にリールを巻く」を1秒間に1回、3回繰り返して、4秒フォールさせる』の繰り返しという非常にシンプルな釣り方です。
テクニックも変化もほどんどありません。擬音化すると「ポーン、ポーン、ポーン。(待って。)ポーン、ポーン、ポーン」。DVD「水中撮影で実証 最強・シンプルエギング」などでご覧になれます。

面白みはありませんが、メリットはあります。また、単純ゆえに極めると強力な釣り方に成り得ます。
同じジャークを繰り返すので、エギの跳ね上がる幅を把握しやすく、フォール時間も一定なので一定層を攻めることができます。
イカのいる層を探し、集中的に攻めることができます。中層を回遊しているイカには効果的です。
一定層を攻めるので、早く着底したらブレイクやシモリがあるなど地形の変化がよく分かります。
底を取らないので、根掛のおそれがほとんどありません。
そして、様々なテクを駆使して釣れず、次の手が考えられないときも、この釣り方なら何も考えずにできます。

2011年の春の管理人の初春イカは、5時間ボウズで打つ手無し、頭も体も疲れた管理人がヤケクソで繰り出したシンプルエギングで釣れました。
管理人は上級者ではありませんが、エギングでは、上級者ではなく入門者の方が先に釣れる場合もあると聞きますが、そんな感じでした。

BDジャーク

バドミントンではラケットをフォアハンドで持ち、真上にシャトルを打ち上げて遊ぶことがありますが、エギングでこの動作を連続して行うものです。少しずつ腕を上げていき、5〜7回程度の小刻みなスラックジャークを連続で行うことが可能です。
正式名称はバドミントンジャーク。管理人の命名です。名前でアクションを思い浮かべることだが出来る、実用的ですがセンスがないネーミングなので、BDジャークとしました。
釣果の方は、春も秋もこのジャークで釣れたイカはいません。ロッドの振り幅と回数を考えなければいけないのでしょうか。今年の秋にはBDジャーク(改)の釣果を報告すべく闘志を燃やしています。

◆BDジャーク(改)
上腕部を高く上げ、肘は折り曲げて下向きの状態で構えます。
この構えからは6〜7段シャクリがやりやすいです。シャクリながら、顔も腕の方を見ると、さらにやりやすくなります。
名前はどうでも良いです。

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