最終更新日:2011年3月19日

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アクション

エギングの華とも言える、アクションについての説明です。
最初に述べますが、どんなに格好良いアクションをしても、アクション中にイカがエギを抱くことはありません。イカがエギを抱くのはアクション後のフォールや水平移動中です。アクションはあくまでも、イカにエギを見つけさせ、興味を持ってもらうための動作です。
それでは、基本的なアクションについて説明します。

シャクリとジャーク

◆シャクリ
シャクリは、ラインスラックをとって、下に構えているロッドを一気に素早く腕ごと振り上げる動作です。ラインスラックをとっているのでエギを引っ張ることになり、エギは斜め上方向に大きく跳ね上がります。
動作を詳しく説明すると、最初に7〜8時の位置にロッドを構えてラインスラックを巻き取ります。それから一気に11時の位置までロッドを振り上げます。両手で振り上げても構いません。
ロッドを真上より後ろ側まで振り上げるとロッドに無理な力が加わって折れるおそれがあるので注意してください。また、ロッドの強度を考えずに渾身の力で振り上げるのもロッドが折れるおそれがあります。

◆ジャーク
一方、ジャークは、ラインスラックを残したままでロッドを振って瞬間的にラインを張る動作です。エギを引っ張るのではなく瞬間的に力を加えるため、エギは弾かれ、水の抵抗を受けて斜め横方向に移動します。

8時の位置から10時の位置にロッドを振るような小さなジャークもあれば、7時の位置から11時の位置にロッドを振るような大きなジャークもあります。後述するスラックジャーク(ロッドを振った後でリールを巻かない)では腕全体でロッドを振りますが、リールを巻きながらのジャークでは一般的に手首の切り返しでロッドを振りながらリールを巻きます。


今後、様々なアクションについて説明します。また、技の名称がつけられたシャクリもありますが、全て、この2つのアクション−引っ張るか弾くか−の応用です。

2段シャクリ

◆2段シャクリとは
それでは、シャクリを応用した『2段シャクリ』について説明します。日中エギングを世に広めた一人である杉原正浩氏が生み出し、エギング用語として定着しているシャクリです。
エギは通常、海中では下を向いています。シャクリ始めにエギの頭を上向きに起こして、それから引っ張ることで、より高く跳ね上げ、かつ手前への移動を抑えることを狙いとしたシャクリ方です。
◆2段シャクリの操作
動作はシャクリとほぼ同じですが、エギの頭を上向きに起こすために、シャクリ始めの動作の最初に、ほんの一瞬、ロッドを止めます。完全に止めの間を作るのではありません。
例えは悪いのですが、自動車を運転していて一時停止で完全に止まるのではなく、ブレーキランプを軽く押して点灯させる程度の−間違いなくお巡りさんは見逃さない−感覚です。
擬音化するなら、パン・パーンではなく、パ・パーンです。
片手で難しければ、ロッドを両手で持つと楽にできます。
なお、2段シャクリに対比させ、1回のシャクリを『1段シャクリ』や『単シャクリ』と呼ぶことがあります。

2回シャクリ

◆2回シャクリとは
次に、『2回シャクリ』について説明します。その名のとおり、2回連続のシャクリです。
3回、4回連続するシャクリ方もあります。

◆2回シャクリの操作
1回目のシャクリは普通のシャクリです。ラインスラックを回収して、シャクリます。
シャクリ終わって2回目のシャクリのためにロッドを下ろし、ラインスラックを巻き取って2回目をシャクリます。ロッドを下ろすときに真下に下ろすとラインがロッドにからまりやすいので、半月を描くように下ろしながらリールを巻くとからまりにくくなります。風がある場合には風上にロッドを倒しながらリールを巻くと、ラインがロッドに絡みにくくなります。

通常のシャクリよりも縦方向へのアピールは強くなりますが、エギは大きく手前に寄ります。
呼び方は『2段シャクリ』と似ていますが、このように動作は全く別物です。解説本やDVDでは、2回シャクリを2段シャクリと説明する方もいます。後述する『水平移動』と同様、日中エギングの普及に伴って定義が曖昧になっているようです。

3回繰り返すと『3回シャクリ』です。   

スラックジャーク

ジャークは連続で用いることが多いです。リールを巻かないままジャークするか、リールを巻きながらジャークするかで動作が変わります。
リールを巻かずにラインスラック(ラインスラック)を出したまま連続でジャークするのが『スラックジャーク』です。杉原氏の友人で、同じく日中エギングの開祖者の一人である、重見典宏氏がスラックジャークの第一人者です。
リールを巻かないアクションなので、エギは手前にあまり寄らず、同じ場所をネチネチと攻めることができます。また、エギの動きも不規則で、横だけでなく後ろに戻るように動くこともあります(全く手前に寄らないわけではありません)。

リールを巻かないので、通常、ロッドを振る回数は2〜3回程度が限度です。それ以上ロッドを振ってもラインスラックが多いためエギに力は伝わらず、たるんだラインを動かすだけの状態になります。
なお、1回のロッドの振り幅を小さくすると数多くロッドを振ることが可能となります。
最近のエギは性能が良いので、軽くロッドを振るだけでもエギが大きく動くことが多いです。疲れない釣り方ができます。

エギが見える場所でスラックジャークをしたら分かるのですが、ロッドを振ったときにラインにテンションがかかった感触が手元に伝わらなくてもエギは動きます。これは、ロッドを振り、ロッドティップが曲がった時に、ぎりぎり、ラインにテンションがかかってエギが動くためです。ただし、失敗したら、エギにテンションがかからず、ラインを振っているだけだったり、「ノジング」とも呼ばれる、エギが頭を振っているだけの動作になるので注意してください。

ショートジャーク、ロングジャーク

一方、リールを巻きながらジャークをする場合はロッドを振った時にリールハンドルをを半回転させ、ロッドを元の位置に戻したときにリールハンドルを半回転させます。これを繰り返すのですが、ロッドを元の位置に戻したときに一瞬止めの間を入れてラインスラックを作ることがポイントです。エギは、ラインスラックを弾くことでダートするのですから。止めの間を入れずにアクションすると常にラインにテンションがかかるためエギを引っ張るアクションになり、エギは横にはあまり跳ねずに手前に寄ってしまいます。

ロッドの振り幅が30度程度がショートジャーク、60度程度がロングジャークだと思いますが、はっきりとした定義はなく、目安程度のものです。腕全体を振って行うスラックジャークとは異なり、これらのジャークはリールを巻きながら、手首を切り返してロッドを振ることが多いです。体の正面で操作する場合もあれば、腰の位置で操作する場合もあります。真上にロッドを振る場合もあれば、斜めに振る場合もあります。どの方法でも、最初は操作しやすい方法で構いません。エギは左右にダートしながら寄ってきます。
ジャークを単発で行う場合もありますが、3〜4回連続で行ったり、10回以上連続で行う場合もあります。概ね、1秒間に2〜3回程度ジャークさせると、『ハイピッチ ショートジャーク(HPSJ)』と呼びます。

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