最終更新日:2011年2月10日

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極小エギの光と影

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極小エギの光と影

管理人がエギングにはまった2008年に2.0号以下のエギはそれほど種類はありませんでした。それが最近は、老舗メーカーも2.0号や1.8号などの極小エギをラインアップし、3.0号以上しかラインアップしていなかったメーカーも新たに2.5号をラインアップするなど、エギのサイズダウンの現象が続いています。ツツイカやヒイカなど小型のイカもエギングの対象となりつつあり、1.6号のエギも目にするようになりました。
エギのサイズダウンの背景と、それが何をもたらしているかをまとめてみました。

サイズダウンの背景

◆メーカーの販促戦略
メーカーの意図は当然のことですが、エギを売って利益を確保するためです。標準的なサイズである3.0号や3.5号ではエギを抱かないイカも、2.5号や2.0号等にサイズダウンするとエギを抱きます。2.5号では抱かないイカも1.8号では抱きます。
では、エギを小さくするほど良いかと言えばそうでもなく、小さなエギは小さなイカが釣れるので場を荒らして大きなイカが釣れなくなったり、手返しや飛距離が悪い等のデメリットもあります。基本は、3.0号や3.5号だと思います。
このように、大きなエギと小さなエギは競合関係にはなく、様々な号数のエギを販売することで売上全体をアップさせることができます。

◆エギンガーのニーズ
エギング人口の増加に伴い、小さなイカでも良いのでエギングを楽しみたいと、9月中旬から2.5号でイカを狙うエギンガーも増えています。このため、港など人が出入りしやすい場所では、秋イカ本番の10月には既にイカはスレているそうです。
10月にイカを釣るのが難しくなれば、9月中旬に2.5号でエギングをする人が増え、そうなると9月も釣りにくくなり、さらに小さな1.8号や2.0号で8月下旬からフレッシュなイカを狙うという、シーズンの前倒し現象が起きています。
特に、小さなイカは警戒心が弱い上にエギにスレておらず、、新たにエギングを始める方にとっては狙いやすいターゲットであることから、小さなイカも釣りやすい小さなエギにはニーズがあると思います。

こうして、小さなエギが売れるようになると、メーカーは新たに小さなエギを追加するようになり現在の状況に至ります。

◆小型のイカのエギング
先ほども少し触れましたが、ツツイカやヒイカなど、小型のイカのエギングも行われるようになりました。これに伴い、小型のエギも販売されるようになっています。
しかし、パッケージに”全イカ対応”と書いているものもありアオリイカのエギング用にも買わせようとする販売戦略が見られる商品もあります。

◆管理人も釣られました
管理人もメーカーの販売戦略に疑問をはさむことなく乗せられ、小さなエギを買っていました。
釣り番組で、「3号のエギから1.8号にサイズダウンしてイカを乗せた」というナレーションや「朝一番のフレッシュなイカを集めるのは、この、音が鳴るエギがいいんですよ」という説明を聞いて、PEエギング1年目のシーズン前に1.8号ラトル入りを買いました。
写真上段は3.5号。中段は1.8号。下段はアクセサリーのエギです。

極小エギの光と影

8月最終週の日曜日、管理人初のPEエギングで1.8号ラトル入りはエギングの面白さを教えてくれました。キャストしたエギにイカがついて来るだけではなく、足元で音を鳴らしてもイカが集まってきます。初めてのサイトフィッシング、イカの動きに管理人は興奮し、20杯近いイカをキープしてしまいました。

◆極小エギの光
このように、当時の管理人のような入門者にとって、また、どうしても御飯分は必要な状況等やボウズの場合では、釣れるターゲットを広げる極小エギは救いとなります。
大きなエギの沈下速度についていけなかったり、エギが大きいため恐れてエギを抱かないイカも、小さなエギなら抱きやすくなります。大きなエギの速度、大きさを見せておいて、小さなエギへの変化で抱かせることもできます。

◆極小エギの影
・港で見た”胴長10cmにも満たないイカをレジ袋一杯に入れているエギンガー”
・「先週はすごかったよ。こんなの(10cmくらい)が100杯は釣れたからね」とうれしそうに話すエギンガー
・釣具屋で「あの港はもう駄目です。○○地方(遠方)から人がたくさん来て、釣りまくってしまいます」という情報を聞く
このような光景を目にしたり、聞くと考えさせられます。 地元とトラブルになってエギングが禁止になった場所もあると聞いています。
極小エギがなければ、このようなことにはならなかったはずです。

「極小エギで子イカを釣ること」の論点と管理人の考え

◆子イカがかわいそう
管理人は、この立場とは一線を画しています。子でも親イカでも、一つの命であることは同じです。また、管理人は家庭菜園で、害虫の卵、幼虫をどれだけ駆除してきたか分かりません。可愛そうと思いませんし、イカを食べるため、または野菜を育てるために多くの命を奪っている自覚はあります。
ご飯の前には「(多くの命を)いただき(人間が生かされ、感謝してい)ます」と合掌しています。

◆資源が枯渇するから
この立場も科学的データがないので分かりません。エギンガーの実感として昔と比べて釣れなくなったというのはあるそうですが、それは資源枯渇のためではなく、スレたためかもしれません。
仮に資源枯渇が原因なら釣りまくるのは自粛すべきですが、それは子イカだけではなく、秋本番のコロッケやトンカツサイズも同様です。また、メスの親イカはリリースすべきです。
なお、資源枯渇で釣りにくくなっているとしても、エギンガーの活動範囲は港、磯、サーフなど、海のごく一部なので、アオリイカ全体としては枯渇していないはずです。

◆極小エギで釣れた小さなイカをリリースしたらいいのでは
極小エギを使っているけどリリースしているから大丈夫とお考えの方、残念ながら、小さなイカはリリースしても、ほとんど生存できないようです。詳しくは「リリースの正しい方法」及び同ページからのリンク先をご覧ください。

◆小さい頃から極小エギで釣ると、スレて釣りにくくなる
この可能性はあります。ですが、「ある程度成長したサイズを釣りたい」という立場と「小さくても良いから釣って楽しみたい」という主張について、善悪の判断は出来ません。

◆管理人の考え
管理人は釣り人として「より大きなイカを釣りたい」という気持ちがあります。9月中はエギングを自粛または数量制限を課すことで、より大きく成長した、スレていないイカを釣る機会が増えると思います。
また、初心者の頃はまだしも、いつまでも極小エギで難易度の低いエギングをするのは格好悪いと思います。というのも、極小エギは次のとおり釣り方が限定されるからです。

◆極小エギでのエギングはシンプル
極小エギはフォール速度が異常に遅く、釣り方のテンポがとても遅くなります。この速度に慣れると、3.5号でのエギングのテンポが崩れてしまいます。
また、カーブフォール、フリーフォールの使い分けや変化もほとんど無意味だと思います。変化をつけたつもりでも、イカにとってどれだけ意味がある差なのか分かりません。
シャクっても抵抗は少なくスカスカします。潮の流れを感じながら、「エギが重たい。払い潮だ。チャンス」という感覚もありません。
このように、エギングを面白く複雑にする様々な要素を削ぎ落とした、入門モードまたはチュートリアルモードでのエギングになります。いつまでも極小エギを使うのは、脱初心者エギンガーとしてはちょっと格好悪いな、と。
また、1.8号の出番は1〜2週間程度です。この時期、イカの成長は速く、あっという間に2.5号でも釣れるようになります。 ちょっともったいないです。
メーカーはこのような考え方は絶対に言いません。消費者が冷静に考えましょう。

◆使用制限を自らに課してはいかがでしょう
極小エギを使う場合、例えば、1回のエギングで10杯までしか持ち帰らないとか、10投までしか使わない等の自主制限を課すことが考えられます。
または、カンナを完全に内側に折り曲げて、イカに針がかりしないようにする方法もあります。これならサイトフィッシングを楽しめ、イカにもダメージを与えません。
メーンのエギは3.0号より小さなエギは使わないという、硬派なエギングもあります。格好良いだけではなく、大きなエギで小さなイカを乗せようとすると、シビアにエギの動きナチュラルにする必要があるので、エギングの上達に役立ちます。いかがでしょうか。

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